この記事はアフィリエイト広告を含みます。
子育ての情報を発信する「コズレ」が200人に次のような質問をしました。
「ママをやめたいって思うことありますか?」
実に72%の女性が「ママをやめたいと思うことがある」と答えています。
子育ては本当に大変です。
でも、母親は「辛い・苦しい」と発信することができません。
なぜなら、母親は、社会から子育てという重労働を喜んで引き受けて当然と思われているからです。
「母親でいることが苦しい」なんていおうものなら、子供を悲しませるだけでなく、周囲から批判されるからです。
シングルマザーは、子育ての苦しさと同時に、さらに社会からの偏見・圧力・処罰感情にさらされます。
苦しいのに苦しいといえないのは辛いことです。
この記事では、社会からの押し付けや偏見・無関心などに悩む母親の気持ちを解説していきます。
こんな人におすすめです。
- 社会や環境などに苦しんでいる母親
- 夫や両親などの家族からの無理解に苦しんでいる母親
- 自分の苦しさを言語化できない母親
- 子育てに苦しんでいる妻や娘の気持ちを理解したい夫や親
- これから親になろうとしている人
- 政治家・企業の上役・学校の先生 など
なお、子供の反抗期に苦しんでいるお母さんはこちらを参考にしてみてください。
また、子供の反抗期が落ち着き、子供が自立した今の私の心境は、こちらに書いてあります。
目次
タブーに挑んだ本『母親になって後悔してる』
「母親でいることが辛い」と子供を産んだ女性が思っているのは、日本だけではありませんでした。
『母親になって後悔してる』という本は、イスラエルの母親の言説を通し、社会から「母親」であることを求められる「母となった女性の苦しみ」を浮き彫りにしています。
誰もが母親の愛を求めているのに、母親は苦しんでいるという矛盾
この世に生きる大人は全員、母親から生まれた「元子供」です。
母親が自分を育てるのに苦しみ「母親となったことを後悔している」なんていうことは、「元子供」にとっては到底受け入れ難いことです。
だから、今まで母親の苦しみに触れることはタブー視されてきたのだと思います。
しかし、『母親になって後悔してる』という本は、そのタブーに切り込んでいました。
母親であることを「後悔する」という衝撃的な題名ですが、子育ての責任の大部分を負う多くの母親が共感する内容でした。
レビューを見ると、「共感した」と☆5つをつけている人が多いですが、あえて☆1つをつけて攻撃している人も。
それだけ「母親になったことを後悔している」という母親の感情は、デリケートで複雑で影響力が大きいのでしょう。
「母親でいるのが辛い」のは私だけではなかった
私にとって子供達はとても大切でかけがいのない存在ですが、「子供がいなければこんな辛い思いをしなくてよかったのに」と思うこともありました。
でも、決して子供にいなくなって欲しいと思いません。
筆者の言う「アンビバレントな感情」を抱き、そのはざまをいつも行き来している感じです。
でも、そんなことは誰にも言えませんでした。
「母親であることが苦しいなんて。私は母親失格だ。」と自分を責め、その気持ちを懸命に打ち消そうとしました。
「母親」を苦しめる状況
『母親になって後悔してる』という本は、私の苦しみの原因を明確に言語化してくれていました。
この記事では、『母親になって後悔してる』を読み、私が考えたことを書こうと思います。
本の内容を正確に知りたい方は、実際に本を読んでみてください。
大昔は、女性の仕事は「子供を産み育てること」だった
原始時代と現代では、人間の体や生態は基本的に進化していません。
しかし、生活習慣や文化は多く変化しました。
たとえば、原始時代などの太古の子育ては「父親が子供と母親を外敵や飢えから守り、母親は育児をする」という役割分担があったと考えられます。
しかし、現代では出産以外は男女ともにできるようになりました。
現代の女性は自由なはずなのに、子を産めば「母の役割を課せられた人」に変わる
夢を叶えなさいと教えられて育つ現代の女の子
人権が認められている現代において、すべての女性は自由で、「自分の人生の中心は自分」です。
女性は、自分のために、自分の人生を選び取ることができます。
社会が期待する「母親」のイメージ
今日の夜飲み会になったよ。帰りは深夜になるから、子供達の世話をよろしくね。
今日の夜飲み会になった。帰りは深夜になるから、子供達の世話をよろしく。
父親のセリフはすんなり聞けて抵抗を感じなかったのに、母親の飲み会と帰り時間に「え?」と思った人がいるのではないでしょうか。
そう感じた人は、女性が子供を育てるのが当たり前の世の中に生きているということです。
良い母親といえば、こんなイメージではないでしょか。
- 愛情深い・慈愛に満ちている
- 献身的・無欲・清らか
- 優しい・忍耐強い
- 強い・完璧
- 笑顔・きれい・美しい
理想の父親像はバラバラですが、理想の母親像は似通っています。
母親が求められるイメージは、例えるなら聖母のようなものだと思います。
母親になると女性は自由を失う
自由だった女性は、子供を産んだ途端、社会から「母親」の役割を課せられ、自分の人生を生きられなくなります。
もちろん、子供に自分の生活を捧げ、自分の夢や目標を諦めることに苦痛も感じない母親もいます。
しかし、そうでない母親は、社会から「自由な自分の人生を、子供中心で生きるために喜んで捨てる愛情深い母」であることを求められるのに苦痛を感じる人も当然いるのです。
また、母になった女性の心が、真に自由になることはありません。
例え一緒にいなくても、常に心の中には子供がいて、望むとも望まざるとも、子供を案じ続けることになります。
自由でありながら、自分の人生を傍に置き、子供の人生の一部として生きる役割が母親には課せられるのです。
母親であることを後悔する理由
母親たちにとって、子供は大切な存在です。
真面目で責任感が強い母親ほど、社会が求める母親像に自分を合わせるため、自分を犠牲にしてでも苦手なこと・大変なこともします。
でも、母親も独立した個人なので、自分の人生を自分が主体となって生きたいと願います。
「母親がした方がよりよいけれど、母親以外の人では絶対に代替できないこと」は実は限られています。
もし、周囲の人や社会が効率的に子育てを分担してくれれば、大部分の母親は苦しまずに済むはず。
しかし、現代の日本は、「仕事も家事も育児も美しさも」母親に求めます。
私の元夫も、私が仕事や家事で手一杯のときに「子供のおむつ替えて、ご飯食べさせて」と簡単に頼んでくるということがよくありました。
「あなたがやってよ」と頼むと、「俺よりもそっちのほうがうまくじゃないか」と答え、待っているだけでした。
私だって、子供の世話が最初からできたわけではありません。
少しずつ手探りでやっていって、効率的に手際よくできるようになっただけです。
しかし、元夫は「女性は母親になった途端に子育てがうまくできるもの。子供の世話が苦手な父親ではなく、母親が子供の世話をするのが合理的」だという考えだったのでしょう。
こうして、女性は社会が求める母親像と自分の人生の間で苦しみ、母親になったことを後悔することになってしまうのです。
母親が苦しいのは、社会の無理解や非協力・押し付けであって、決して子供のことは愛していないというわけではないのです。
「母親になったことを後悔してる」などと言えない世の中
母親には「不合理な精神論」が要求される
もし国・社会・企業がみんなで母親を助け、父親が母親と家事育児をきちんと半分にしていれば、母親が子育てに苦しまず、母親になったことを後悔しないかもしれません。
しかし、母親が苦しいと世間に発信しても、返ってくるのは次のような言葉で、助けてはくれません。
- 苦しいのは今だけよ。(しばらくは我慢しなさい)
- 子育ては素晴らしいものよ。(頑張りなさい)
- 子供が欲しくてもできない人もいるんだから。(ありがたいと思いなさい)
- 子供はお母さんが大好きだからね。(子供が第一なんだから諦めなさい)
なぜか母親には精神論が適応されるのです。
仕事や病気などでは、苦しければ効率化や緩和ケアが施されるのに。
母親は攻撃対象になりやすい
さらに「母親になったことを後悔している」と言おうものなら、社会が求める理想的な母親像から外れてしまうので、母親は一斉に攻撃されます。
誰も助けてくれず、「母親になったことを後悔している」と言ったら世間から攻撃される。
現代の母親はどんどん辛くなるばかりです。
「シングルマザー」はより批判されやすい
離婚をしていない母親でさえ生きにくい世の中です。
シングルマザーは尚更です。
一人で子供を育てるのが辛いから、せめて心の支えにパートナーを探そうとすると、批判されます。
シングルマザーの恋愛に批判的な人は、次のような特徴があるように思います。
- 伝統的家族観に執着する人
- 離婚自体に批判的な人
- シンママが子供の世話をしなくなると信じている人
- 子供に悪影響があると信じている人
このような保守的な人たちは、不合理な思い込みでシングルマザーの恋愛に批判的なようです。
結婚さえしていれば幸福な子供が育つのでしょか。
子供がいる女性は、基本的な人権さえ保障されないのでしょうか。
写真集『透明人間 Invisible Mom』〜見えないママ〜
2024年1月27日に放送されたNHKのニュース「おはよう日本」で、写真集『透明人間』という本が紹介されました。
重い障害を持つ息子を育てている山本美里さんが自身の生活を写真とコメントで綴った写真集です。
もともと美里さんは仕事についていましたが、介護や他の子供の育児で仕事を辞め、睡眠もままならない生活をほぼ一人で続けたそうです。
息子が特別支援学校に入学するときに、学校ではできない医療措置に備えて学校で待機をするように頼まれたのだそうです。
そのとき、学校で言われたのが「必要なとき以外、お母さんは気配を消していてください」という言葉。
学校としては「子どもたちの自立のため」という意図があったのでしょうが、1日6時間、何もせずに学校で待機して「透明人間のように生きていかないといけない」という思いが美里さんを苦しめたのは想像に固くありません。
美里さんは「息子を愛しているし、このままの息子でいい」、「子どもを学校に通わせ、必要なことは学校に協力したいしするべきだ」と思っています。
しかし、その一方で、「何もせずに待機室で座っていることが嫌だ」という思いをいだき、葛藤に苦しんでいます。
そんなときに救いとなったのが、写真だったそうです。
タイトルの「Invisible Mom」(透明なママ、見えないお母さん)という言葉が心に刺さります。
NHK「おはよう日本」では、美里さんの写真展の様子を報じていて、母親たちから共感の声が寄せられていました。
そして、写真展を訪れた作家の山崎ナオコーラさんの次のようなコメントを紹介しています。
「”共感”で終わらせてはいけない作品だと思います。これは、母親の問題ではなく、社会の問題です。お母さんは、変わらなくていい。変わらないといけないのは、社会や制度を作る側、何もしていない自分たちです。」
NHK NEWS WEBより引用
「子育ては母親の仕事。」
この考えがどれほどの母を縛り苦しめ、母親が自分の人生を生きるために必要な支援が行き届かない社会を作っているのかを、多くの人に知ってもらいたいと思います。
子育てが辛くて押し潰されそうなあなたへ
苦しんでいるのはあなただけでない、一人ではない
次のような言葉を無自覚にいう人がいます。
これらは、女性を追い詰める言葉です。
- そろそろ結婚しないと子供産めないわよ。
- 子供がいてこそ一人前だよ。
- 子育てが苦しいのは今だけよ。
- 子育ては素晴らしいものよ。
- 今辛くても、大きくなればいい思い出になるのだから、今子育てを楽しんで!
- 子供が欲しくてもできない人もいるんだから。
- ママじゃないと泣き止まないわね。
- 子供さんがいるなら、このプロジェクトは参加できないね。
- 母親はもっと子供のことをみるべきだ。
- 子育てが辛いなんて母親失格よ。
- 「母親になって後悔してる」なんて、あなたが産んだんでしょ?
- 離婚したのはあなたなんだから。
子育てが母親だけのものではなく、男性も女性も社会がみんなで育てるものになってくれれば、「母親になって後悔してる」なんて感じる女性は減るはずです。
もっといえば、制度の不備よりも、偏見や思い込みが辛いということを知ってもらいたいものです。
この記事を公開すれば、私ももしかしたら批判されるかもしれません。
それでも公開するのは、『母親になって後悔してる』という本で、苦しんでいるのは私だけではない、同じような思いを抱えている人がいるのだと知って救われたからです。
今子育てが辛いと思っている母親の皆さん、あなたは一人ではないですよ。
子供の反抗期で辛いなら
私は、今の世の中でシングルマザーとして子育てをし、辛い思いもしました。
社会だけではなく、子供自身の反抗期で、子育てが苦しい時期も。
でも、やっと上の息子が自立し、下の娘も穏やかに仲良くできるようになりました。
今反抗期で苦しんでいるみなさんの参考になるかもしれない記事をこちらで紹介しておきます。