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娘が中学2年生になったころから、私と娘が衝突することが増えました。
いつかは反抗期も終わるだろうと思いながら、「なんでこんな子どもになってしまったのだろう」と悩む日々。
しかし、高校生になった今では、娘との関係はとても良好で、毎日冗談を言って笑い合えるようになりました。
親子関係修復のきっかけの1つが、台風でアクシデントに見舞われた母娘2人の大阪旅でした。
この記事では、反抗期や思春期の中高生の子供との旅行について、以下のことを紹介します。
中高生だけでなく、恋人や親など、「大切な存在だけど少し気難しい人」と旅行に行くときにも役立つポイントになっています。
・私と娘との関係が改善し、絆が深まった旅行について
・思春期・反抗期の中高生と旅行に行くときのポイント
目次
親子関係修復のチャンス到来!〈娘「大阪に旅行したい」〉そのとき母は動いた
娘がお笑いが好き。
ある日、娘が「大阪に行って吉本新喜劇が見たい」と言い出しました。
「ついでにUSJも」と。
私は旅行好きですが、娘が「気難しく」なってからは旅行に誘っても断られてばかり。
さらに、娘から「〇〇したい」という提案は、ここ最近はほぼありませんでした。
だから、娘の方から「旅行に行きたい」という意思表示があったのは、私にとっては天からの贈り物でした。
すかさず「いいね!大阪行こう!」と即決しました。
娘の気が変わらないうちにエアトリで最安値を調べ、娘の学校が休みの日と照らし合わせ、旅行計画を立てました。
同じ路線でも航空会社によって航空券の値段は異なります。
だから、国内線の航空券を一覧で比較できるエアトリは、お得に安く航空券を見つけるのに便利なサイトです。
購入する会社が違うだけで同じ便に乗る航空券なら、安く買った方がいいですよね。
私の覚悟「娘のための親子の愛着再生旅行をプロデュースする」
いつも旅行は、上の息子と3人か、母も含めて4人で行くので、みんなの希望の中間をとって旅行を計画していました。
そうすると、娘の希望に添えないことも発生します。
しかし、今回は、娘の希望を可能な限り叶えることにしました。
なぜなら、私には「娘にきちんと向き合って親子の愛着関係を作れていなかったのではないか」という心配と後悔があったからです。
イギリスの精神科医ボウルビィは、愛着(子どもが特定の他者に対して情愛的な絆を持つこと)を形成していくことが子供の発達にとって大切だいう愛着理論を確立しました。
子供の問題行動の原因の一つに、愛着障害が挙げられます。
愛着障害までいかなくても、幼少期に親子の愛着が健全に作られないと、子供が精神的に不安定になってしまうのです。
私は、昔から愛情表現や褒めるのが苦手な分析思考タイプ。
離婚を経験し、子供を育てるために長時間労働をし、新たなパートナーを作りました。
おおよそ世間のいう「いいお母さん」とはかけ離れています。
その時々の私は、いつも必死で自分にとって最良と思える選択をしてきましたが、娘にとっては過酷な生育環境だからこそ、もっと娘のケアをしてあげるべきだったと今は思っています。
以下、書籍『愛着障害』の内容を少し引用します。
愛着の原点は、親との関係で育まれる。愛着障害は、そのプロセスで躓いている。それを修復するには、親との関係を改善してくことが、もっとも望ましい。
親のなかには、子どもに問題が表面化したのを機に、自分から子どもへの関わり方を変えようと努力する人がいる。そうして、子どもの方も親の方も大きく成長し、関係が良い方向に変化することで、他の問題も落ち着いていくというケースも少なくない。
しかし、その一方で、親の方も不安定な愛着の問題を抱えていることも多く、自分の問題としては受け入れようとせず、頑なに子どもの非にこだわり続け、子どもに対する否定的な態度を改めようとしない親もいる。
岡田尊司(2011)『愛着障害』光文社新書
「第6章 愛着障害の克服 2. (1)安全地帯となる存在」より引用
私が幼いとき、私はいつも母親の顔色を伺っていた記憶があります。
祖母からはあからさまに兄弟と差別されて育ちました。
私自身が愛着形成が不完全な状態で大人になったのかもしれません。
しかし、私の過去を娘に押し付けるわけにはいきません。
今回は、人生初の母娘の2人旅。
日常を離れ、娘と向き合い、彼女を認めて、2人だけの絆を作る絶好のチャンスです。
そう思った私は、娘が「私だけのお母さん」だと思いっきり甘えられるシチュエーションを作ることにしたのです。
娘の希望を最大限に取り入れた2泊3日の大阪旅
娘の希望は次の4つでした。
- USJに行く(並ぶのは嫌、迷惑TikTokerがいるなら行きたくない)
- 吉本新喜劇を見る
- アメリカ村で服を見る
- 映え写真をとる
私は、大阪城とか海遊館とか、旅行の定番に行くのが好き。
でも、娘は行きたくないのだそうです。
今回は、大阪城や海遊館より、娘の希望が優先でしたので、娘の4つの希望を基本に旅行を組み立てました。
予算ギリギリまでお金を使う
この旅行では、私と娘が楽しく過ごせるためなら、ギリギリまでお金を使う覚悟でした。
効率よくお金を使うために、贅沢するところと節約するところにメリハリをつけるようにしました。
節約したところ①〈航空券〉
私は旅行するために、ゆるく「陸(おか)マイラー」をやっています。
「陸マイラー」とは、クレジットカードやポイントサイトなどを使って、飛行機に乗らず、普段の買い物などでマイルを効率的に貯める人たちのことを指します。
私は、マリオットボンヴォイ・アメックス・プレミアム・カードというカードでポイントを貯め、ユナイテッド航空のマイルに変えて無料航空券(特典航空券)をもらっています。
今回の旅も、貯めていたマイルで特典航空券を予約しました。
これで飛行機代は無料です。
例えば1人往復5万円だったとしたら、2人分で10万円が無料になった計算になります。
ちなみに、ポイ活を始める前は、エアトリで予約していました。
安くて安心して予約できるので、今も時々使います。
節約したところ②〈ホテル〉
ホテルはマリオット系列のフェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波を1泊5000ポイント付きのプランで予約。
マリオット系列としてはお得なホテルですが、女子高生が喜ぶには十分すぎるほど豪華です。
宿泊客の半分ぐらいが欧米を中心とした外国人なのも、旅行気分を高めてくれます。
お金をかけたところ①〈USJのエクスプレスパス 〉
USJは並びます。
そしてへとへとになります。
ディズニーリゾートでは、以前ファストパスがあり、それを活用してスムーズにパークを満喫していました。
しかし、USJでは、並びたくないなら、スタジオパス(入場券)とは別に、エクスプレスパスを購入しないといけません。
スタジオパスもエクスプレスパスも、変動価格制度(繁忙期は高くなり、閑散期は安くなる値段設定)が導入されています。
娘の学校の休みに合わせたので、とても高額でした。
娘が行きたいのは以下の2つのエリアでした。
- 「スーパー・ニンテンドー・ワールド™」エリア入場確約券付き
- 「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター™」エリア入場確約券付き
超人気エリアですし、アトラクションは2〜3時間待ちです。
しかし、長時間並んでへとへとに疲れ果ててしまっては、娘の機嫌は悪くなるし、私も余裕がなくなります。
徹底的に2人で快適に過ごす旅に、多少の痛みは必要。
ここは奮発して、1人9800円のスタジオパスに加え、18,800円の「Express4」を購入しました。
従って、予約の段階でUSJに57200円使いました。
お金をかけたところ②〈タクシー 〉
普段あまりタクシーは利用しませんが、土地勘がないところで、スーツケースを持って歩くのは大変。
ホテルからなんばグランド花月に行ったり、USJに行ったり、食事に出たりと、行きたいところが同じ場所に固まっているわけではありません。
ここでも体力温存のために、駅やバス停まで多少距離があったら、贅沢にタクシーを使いまくりました。
そのとき、とても便利だったのが「GOタクシー」というアプリでした。
写真のように、どこからどこに行くと入力すると、何分後に来るのか、いくらくらいかかるかがわかります。
無料で「スライドドア車両」を選んだり、有料(150円)で「GO有料乗務員に限定」という指定ができたりします。
「タクシーを呼ぶ」をタップすると、来る車両の絵とナンバーが表示され、アプリの地図上でタクシーがこちらに向かっているのがわかります。
クレジットカードを登録していれば、降車するときに支払いで時間を取ることもありません。
GOタクシーのアプリは、すごく便利で重宝しました。
娘も「優良乗務員さんは感じがよくて、車はきれいで臭くなくて、すごくいい」と気に入っていました。
USJとタクシーでは、クレジットカードのポイントがザクザク貯まるほどお金を使いました。
台風直撃!「修学旅行みたいだね」親子2人の逃避行が始まる
吉本新喜劇の席は、中央の前から5列目くらいの場所を押さえました。
アメリカ村のルートも確認済みです。
旅行先でまごまごして、体力を消耗したり娘の機嫌を悪くしたりしないために、事前の情報収集は念入りに行いました。
参考:【旅行の新常識】本・電子書籍・検索・AIで情報収集を比較してみた
事前の情報集取も終え、いよいよ出発が間近に迫りました。
そこで、大きな問題が発生。
台風が日本列島に向かっていたのです。
旅行の1週間前からずっと気象庁やウェザーニュースの台風情報を見ていましたが、予報は微妙なところ。
なんとか台風が来る前に自宅に戻れるだろうと判断し、旅行に出発しました。
【1日目】
大阪では道頓堀で串カツやとんぺい焼き、たこ焼きなどを堪能。
なんばグランド花月では、アキさんが座長の新喜劇を見ました。
【2日目】
朝はホテルのレストランで朝食を取り、昼まで部屋でゆっくり過ごし、昼過ぎからUSJに移動。
乗り物酔いしやすい私がアトラクションで酔ってしまいましたが、娘が水を買ってきてくれたり、雨が降ってきたら傘を買いに行ってくれたりしました。
私が回復するまで娘が優しく付き合ってくれたのは、驚きと同時に感動しました。
私が回復したら、今度は娘が食べ過ぎて気分が悪くなり、アトラクションに乗るのを断念した場面も。
1日目と2日目は問題なく、母娘で笑い合い、とても楽しく過ごすことができました。
「修学旅行みたい」娘と無邪気に過ごした延長2日間
【3日目】
本当は家に帰る日でしたが、航空会社が早々に終日台風欠航を決定しました。
まだ台風が遠いと思っていた私には、誤算でした。
旅行保険に入っておけばよかったと後で気づきました。
ここから台風を避けて帰宅するという逃避行が始まりました。
台風で帰れなくなったのが初めての経験だったので、とりあえず空港に移動することにしました。
フェアフィールドをチェックアウトし、空港へ。
航空会社のカウンターは大行列。
私が乗るのはANAですが、予約した窓口はユナイテッド航空。
わからなかったのでカウンターに並びましたが、ユナイテッド航空に電話してくださいといわれました。
ユナイテッド航空に30分くらい電話し、やっと通じて翌日の便に変えてもらいました。
でも、それ以降は5日後ぐらいの便にしか空きはありませんでした。
空港でも、普段の娘だったらイライラしていたと思いますが、根気強く待っていました。
娘の要望を全て叶え、娘に対する私の接し方に気を付けてきたこの旅行では、だんだん娘が穏やかになっていくのがわかりました。
チケットを変更しただけで、もう夕方の3時。
とりあえず、空港の近くのビジネスホテルを予約しました。
今回は値段重視で、安めのホテルを頼みました。
すると、昨日までのホテルとは打って変わり、かなり質素で狭い部屋です。
廊下の音が部屋まで筒抜けで、シングルベッド2つがやっと入る程度の広さです。
娘が嫌がるかと思ったのですが、娘は意外な行動に出ました。
自分のベッドではなく、私のベッドの上でお菓子を食べたり、テレビを見たり。
まるで、小学生のときのように私の側に寄ってきて、遠足のように話したり食べたりするのです。
娘は「修学旅行みたいだね、枕投げでもする?」ととても楽しそうです。
部屋が狭いからこそ、私との物理的な距離が縮まり、精神的な距離も縮まったようでした。
【4日目】
なんとこの日も欠航が決定してしまいました。
おそらく、次の飛行機を予約しようにも、5日後とかの便しかとれないでしょう。
私は、すぐに新幹線などの陸路で帰ることにしました。
新幹線のチケットを「NAVITIME Travel」で予約すると、自宅に届けてもらえるので便利ですが、今回は緊急事態。
人でごった返す駅でチケット発券のために並ばないといけないのが嫌でしたが、仕方ありません。
空港はかなり混乱していたので、多くの旅行者が陸路に変更するでしょう。
自由席で帰るのはかなり大変そうだったので、指定席を予約しようにも、グリーン車しかありませんでした。
仕方なく、人生初の新幹線グリーン車を予約。
案の定、JRは地獄のような混み具合でしたが、やっとのことでチケットを発券し、グリーン車へ。
足置きやテーブルなどが豪華で、座席も広く快適でした。
翌日、在来線に乗り換えて、高速バスで家の最寄駅まで帰ることにしました。
昨日のホテルは、あまり快適とはいえなかったので、その夜のホテルは一休.comで入念に選びました。
当日予約でしたが、三井ガーデンホテルを取ることができました。
前日のホテルよりずっと豪華で広かったですが、この日も修学旅行みたいなお菓子パーティーを娘としながら、家では見られない地元テレビを見て過ごしました。
【5日目】
駅はどこも人でごった返していて、ホームは激混み。
疲れた様子の人がたくさんいました。
台風でチケットが取れない人たちが、イライラして駅員さんにくってかかる様子も。
今回の旅行は、本当に体力を温存しておいてよかったと思いました。
電車を降り、高速バスに乗ったら、台風で高速道路が通行止めになって、一般道を通るなど、最後の最後までアクシデント続き。
でも、娘は、楽しそうでした。
2人で仲良く笑いながら帰ってくることができました。
私にとって、台風は娘との関係改善の良いきっかけになり、ありがたいくらいでした。
2泊3日が4泊5日に。
人生初のアクシデントに満ちた2人旅。
お金は、予定していた金額の倍かかり、大赤字です。
でも、それ以上に、娘とのかけがいのない絆が生まれた旅行でした。
反抗期の親子関係修復には旅行がおすすめ!いい旅にする6箇条
ここまで、私と娘の関係が改善した「台風逃避行」を紹介しました。
台風がなくても、子供との旅行をいいものにするポイントがありますので、それを解説します。
まず、大前提は、次の3つを守ることです。
- 思春期・反抗期の子供は、家族旅行をしたくないと考えている子は多いと理解する
- 気難しい友人と一緒に行く感覚で過ごす(子供だからとコントロールしようとしない)
- 子供との関係を破壊する言葉は封印
- 日程や旅行先は子供の予定最優先できめる
- 子供の希望を最大限に叶える
- 子供を疲れさせない
- 親は常に平常心を心がけ、親が気持ちを切り替える意識を持つ
- できれば親子2人旅行をする
それでは、具体的に解説していきます。
子供との関係を破壊する言葉は封印
人間関係を悪くする「でも、だって」などのネガティブな言葉。
これらは大人も言われたら嫌な言葉なので、当然子供も嫌がる言葉です。
特に旅行中は次のような言葉は使わないようにしましょう。
- でも、だって、けれども
- いや、違う
- そもそも
- せっかく、あなたのために〜
- 言ったよね
- どうせ
- できない
- 仕方ない
人間関係を壊さない話し方をする
代わりに、次のような話し方を心がけてください。
- 「Yes And話法」「Yes If話法」で話す。
- Iメッセージで、根拠・感情・次の指針の順序で話す。
「Yes And話法」とは、相手の言葉を「そうだね」と受け止めてから、自分の意見を付け足す話し方です。
例:「〇〇しよう。」「そうだね、△△もするともっといいね。
「Yes If話法」とは、相手の意見を受け止めてから、仮定の話で相手に考えを促す話し方です。
例:「〇〇したくない。」「そうだね、もし△△ならどう?」
Iメッセージは、相手を主語にするのではなく、「I=私」を主語にし、自分の気持ちや考えを伝える話し方です。
相手のよくない行動を指摘するときに、根拠・感情・次の指針の順に論理的に示します。
例:私は、あなたが聞こえていないと思って何度か声をかけただけなのに、「わかってる!」と怒られたら悲しい。今度は、聞こえてたら返事をして欲しい。
改善すべきことは叱らないで「気づかせる」
旅行初日、娘は多少イライラして、私を無視したり、攻撃的な言葉を使ったりして、私に突っかかってきました。
娘の態度が単なる八つ当たりだったときは、きちんと理由を説明して知らせました。
例えば、「その言い方は、いくら大人でも傷つくよ。今すごく悲しくなった。もうそういうことは言わないで欲しい」という感じです。
子供は、叱らなくても「指摘」で自分の態度の良し悪しに気づけますので、決して叱らないようにしていました。
子供の話をよく聞く
相手を受け入れ、共感的に聞く「傾聴」というコミュニケーションスキルを意識的に使います。
子供は「認めて欲しい」という気持ちを強く持っているからです。
傾聴のスキルについては、次の記事に詳しく書いています。
参考:【親子関係が悪い】どうすれば?母娘を笑顔にする5つの魔法
日程や旅行先は子供の予定最優先できめる
旅行の日程は、早く決めたほうが安くなるもの。
親の仕事の予定もありますよね。
しかし、反抗期の中高生を旅行に連れていくには、子供の予定を最大限に考慮してあげるようにしましょう。
なぜなら、「認めて欲しい・尊重して欲しい」という気持ちを強く持っている子供に対し、親が「あなたを一人の人間として尊重しているから、あなたの予定を考慮する」という態度で示すことができるからです。
部活やテストなど、子供が大切にしているものは尊重する
親がよくやる失敗は、「部活か模試とかは休めばいい」と安易に考えること。
子供には子供の世界があります。
親はそれを尊重してあげないといけません。
「家族旅行が優先だ」などという横暴な考えは、自立しようとしている子供の心を親から引き離すだけだと知っておきましょう。
キャンセルをする覚悟・準備をしておく
中高生になると、親と旅行など「恥ずかしい」と考えるものです。
「一緒に行ってくれる」ほうがありがたいことです。
子供が旅行に行くと言っても、部活の試合が入ったり、友達との予定が入ったり、気持ちが揺れ動いて「やっぱり行かない」と言い出す可能性は十分にあります。
そのときに、子供を連れて行こうと怒ったり脅したりしてはいけません。
「あなたが行かないと、〇〇なってしまうから困る。調整するのは難しい?」と冷静に論理的に伝えてください。
それでも子供が「行かない」と言ったら、もう諦めましょう。
無理に押し通すと、「親が旅行に行きたいだけで、自分の気持ちなんてわかってくれない」と子供が心を閉ざしてしまいます。
たとえキャンセルして家族みんなが旅行に行けなかったとしても、親がそこまで自分を尊重したという事実を子供の記憶に残すほうが、今後子供が自分を振り返る種になるはずです。
親は旅行を中止するか、行かない子供の分だけをキャンセルするか、日程を改めるかを検討しましょう。
したがって、反抗期・思春期の中高生と一緒の旅行を企画する場合、キャンセル可能期間を確認しておきましょう。
できるだけキャンセルが無料のものを予約したり、自分都合のキャンセルができる旅行保険を検討するようにするといいでしょう。
旅に関する子供の希望を最大限に叶える
子供の希望を最大限に叶えてあげれば、自立をしようとする子供の「『自分』を認めて欲しい」という欲求を、親がきちんと受け止めていると示すことができます。
子供が嫌がることをしない、嫌なところへは行かない
私は、娘が行きたくないと言った大阪城や海遊館については、一言も娘に「行こう」と言いませんでした。
USJでも、TikTokerを2人で探しながら、いたら速攻道を変えるというように、ゲーム的に娘の希望を叶えました。
子供は、親の態度で子供への愛情を測るところがあります。
自分が「嫌だ」と拒絶しているのに親の希望を無理に通すと、子供は「自分の気持ちを無視した、親が自分を軽んじた」と思ってしまいます。
子供の「嫌だ」という自己主張は、社会的に許されないものでない限り、尊重してあげるようにしましょう。
子供が行きたい場所・やりたいことは根気強く付き合う
一方で、子供が「したい」と言ったことには、協力を惜しまないようにしましょう。
買い物など、親にとってはつまらないことでも、子供が納得いくまで付き合ってあげるようにします。
私は、アメリカ村には全く興味がありませんでした。
自分が見るものもないし、娘の買い物に付き合って「どう?」と聞かれても、「いいね」しか答えようがありませんでした。
それでも、娘が満足するまで根気強く付き合いました。
大切なのは、「親が付き合ってくれた、自分を尊重してくれた」という子供の納得感があるようにすることなのです。
押し付けがましくしない
今回の旅行は、「娘のため」がキーワードでした。
しかし、どれくらいお金がかかったとか、あなたのためよとか、親の気持ちを押し付けることは言わないようにしました。
娘は働きたくてもまだ働けません。
気持ちは大人に近づいていても、まだ子供であることが歯がゆいこともあるでしょう。
それに、「私のためにして」と頼んでもいないので、恩着せがましく言われるのは、大人でも嫌です。
親が子供のために頑張っていたら、子供は言葉や態度に出さなくても気づきます。
それで愛情としては十分伝わっているのです。
子供の決定は尊重する
例えば、娘が「やっぱるUSJに行かない、ホテルで寝ている」と言っても、「行こうよ」ととりあえず誘うけれど、最終的にはOKするつもりでした。
USJで娘が食べ過ぎて気分が悪くなり、エクスプレスパスを2枚使いませんでした。
2人合わせて、約2万円分を無駄にしたのです。
しかし、娘は閉園間近まで「せっかくお母さんが買ってくれたから、乗ろうか」と迷っていました。
気分が悪いのに無理に乗っても、良い思い出にはなりませんから、私は無理をしなくていいよと伝えました(内心ではもったいなかったですが、仕方ありません)。
娘は、「やっぱり乗らない。」と決め「ごめん」と言いました。
思春期の子供の心は、些細なことで揺れ動きます。
それを大人は理解できないこともあるでしょう。
また、子供がうまくやろうと思っても、未熟さゆえに思わぬところで失敗してしまうこともあります。
しかし、それを否定してしまったら、子供の自尊心も親子関係も崩れてしまいます。
私は、娘が「せっかくお母さんが買ってくれたのに」と思ってくれただけで良かったと思っています。
希望をしつこく尋ねない・聞きすぎない
「子供の希望を叶えよう!」と思っても、「どうしたい?」「何が食べたい?」と聞いてばかりだと、子供は辛くなります。
選択は時として辛いものです。
「どこに食べにいく?」「今日の夕食は何?」と、大人も毎日毎回選択を迫られてばかりでは、疲れてしまいます。
私は娘に「明日の朝食どうする?」と聞いて特に返事がなかったら、「外で食べるか、ホテルで朝食を食べるか、コンビニに買いに行くか、どれがいい?」と選択肢を提示するようにしました。
子供の希望は尊重するけれども、しつこく尋ねないようにし、親がいくつかの選択肢を提案してあげることも必要だと思います。
子供を疲れさせないように旅程を効率化・合理化
大人でも、旅を楽しくするには「疲れすぎない」のが大切です。
疲れると、心をコントロールできなくなるので、特に子供には配慮してあげることが大切でしょう。
多少お金はかかっても、使えるものは使う
今回の旅行は、台風で延長したこともあって、大赤字です。
でも、タクシーや指定席など、移動で体力を消耗しないようにしていて本当に良かった思っています。
そのおかげで、娘は比較的平常心でいて、私と無用な衝突をすることはありませんでした。
タクシーだけでなく、フットマッサージや湿布、歩きやすい靴など、お金で解決できるものは上手に使うほうが、平和に旅行をすることができます。
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私がよくやってしまう失敗は、あそこも行きたい、ここも行きたいと、旅行の予定を入れすぎてしまうことです。
特にディスニーリゾートに行くと、修行のように歩き回るので、子供達が無口になって、ゾンビのようになってしまいました。
旅行はあくまで、楽しく過ごすもの。
今回は移動時間を考え、1日目は吉本新喜劇とアメリカ村、2日目は夕方からUSJに行く以外は予定を入れませんでした。
せっかく旅行に行ったのだからと予定を詰め込まず、余裕のある旅程を組んでちょうどよかったと思いました。
なるべく快適さを考える
富士山登山をするといった目的のある疲れ方なら問題ないですが、ただの移動という、子供が意味を見出せない疲労は極力避けたいものです。
子供はよく「意味わからん」と言いますよね。
あれは本心だと思います。
子供は親が思っている以上に「行動の意味」を求めています。
子供が価値を見出さないことで疲れたり時間を浪費しないように、指定席を前もって予約をしておくなど、なるべく快適に過ごせるように工夫するとよいでしょう。
旅行中、親は常に平常心を心がけ、親が気持ちを切り替える意識を持つ
今回、私が娘との旅行で一番気をつけたのは、自分がいつも平常心で余裕を持つようにするということでした。
どうしても子供の言い方や態度にイライラすることは、正直にいえばあります。
そのときは、いかに素早く気持ちを切り替えるかを考えました。
タレントのみやぞんさんが、「自分の機嫌は自分で取る」とよく言いますが、これは名言だと思っています。
私は、平常心でいられなくなりそうになったら、次のように自分に言い聞かせていました。
- 子供は未熟だけど親は大人なんだから、自分の機嫌は自分でとろう
- 娘も本当は楽しみたいけれど、ついきつい言葉が出ただけで悪気はない
- ここで怒ってもいいことはない
できれば親子2人旅行をする
今回の旅行がうまくいった一番の理由は、「2人旅」だったことだと思います。
今までの旅行は、息子にも娘にも気を遣って、結局娘にとっては「もっと構って欲しい、もっと自分の意見を聞いて欲しい」という旅行になってしまっていたようです。
しかし、今回は、娘だけをずっと観察することができ、娘の気持ちに臨機応変に対応することができました。
他の人がいたら、こうは行きませんでした。
1対1の方が子供のペースに合わせやすく、問題に対処しやすいので、親子仲が最悪ではないなら、2人旅をおすすめします。
まとめ〜母と娘の心を解くのは旅という特別な舞台でした〜
今回は、娘との関係が良くなるきっかけになった旅行を紹介しました。
さらに、中高生と旅行に行くときの注意点を解説しました。
- 子供と話すときの自分の話し方に気を付ける
- 子供の話を傾聴する
- 日程は子供の都合を最優先で
- 旅行に関する子供の希望を最大限に叶える
- 子供を疲れさせない
- 親は平常心で気持ちを切り替えることを心がける
- できれば親子2人旅をする
私は、娘との関係を改善するために、1ヶ月間講義を受けたり勉強したりして、だいぶ実践できるようになりました。
しかし、なかなか実践は難しいのも事実。
この記事を書いた後も、娘とのケンカがなくなったわけではあります。
そんな自分に落ち込むこともあり、つくづく親子関係は難しいと思います。
今回紹介したことがすぐにできなくてもいいと思います。
子供には「お母さんが・お父さんが変わろうとしてくれている」ということは伝わります。
それが親子関係改善の最初の一歩になるはずです。